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経糸準備

経糸(たていと)準備は、染色が終った糸を経糸として織機に掛けられる状態にする工程です。

内容からは、整経の工程と糊付け(サイジング)の工程の二つに分けることが出来ます。

整経

整経は、必要な本数の経糸を、長さを揃えて並べて、ビームに巻き付ける工程です。

ストライプ柄やチェック柄など、経糸に色の違う複数の糸を使う場合は、デザインどおりに経糸を配列すること(「柄組み」)も、整経作業の一環として行います。

糊付け・サイジング

糊付け(サイジング)は、織りやすくするために、経糸に糊を付ける工程です。

織物によっては、緯糸にも糊を付ける場合があります(例えば絹織物)。また、経糸であっても糊を付けずに織る場合もあります(例えば毛織物)。

しかし、播州地方の先染織物では、一般に、経糸には必ず糊を付け、緯糸には糊を付けません。

糸に糊を付けると、どういう良いことがあるのかについては、「うんちく」のページで少し詳しく説明します。

3つの流れ

整経の方法としては、「荒巻整経」による方法と「部分整経」による方法があります。

一方、糊付けの方法としては、整経前の糸に糊を付ける方法として「綛(かせ)糊付け」と「チーズ・サイジング(一本糊付け)」があり、整経後の経糸にまとめて糊を付ける方法として「スラッシャ・サイジング」があります。

経糸準備の工程は、整経の方法と糊付けの方法の組合せによって、次の3つの流れに大別できます。

  1. 糊付け → 部分整経
  2. 部分整経 → B2B サイジング
  3. 荒巻整経 → 一斉サイジング

糊付け → 部分整経

最初に糸に糊を付けてから、部分整経機で整経します。

糊付けの方法としては、綛(かせ)糊付けとチーズ・サイジング(一本糊付け)を使います。

部分整経 → B2B サイジング

最初に部分整経機で整経してから、全部の経糸にスラッシャ・サイジング・マシンで一気に糊を付けます。

荒巻整経 → 一斉サイジング

この方法も、B2Bサイジングと同じように、スラッシャ・サイジング・マシンを使用します。

ただし、マシンの入口には、ビーム染色から上がってきた複数の染色ビーム(荒巻整経済み)をそのまま置き、出口で一本のビームにまとめて、柄組みをして巻き取ります。