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整経

整経は、必要な本数の経糸を、長さを揃えてビームに巻き付ける工程です。

ストライプ柄やチェック柄など、経糸に色の違う複数の糸を使う場合は、デザインどおりに経糸を配列する(「柄組み」をする)必要があります。

整経の方法としては、「荒巻整経」による方法と「部分整経」による方法があります。

荒巻整経

荒巻整経は、コーン・クリールに立てた数百個のチーズから糸を引き出して、必要な長さを染色ビームに並べて巻き付ける整経方法です。

荒巻整経

上の写真が整経機です。奥にコーン・クリールが見えています。

コーン・クリールに近付いて撮影したのが下の写真です。

コーン・クリール

通常、荒巻整経はビーム染色の前工程として行われます。

染色ビーム1本に巻かれる経糸の本数は、全部の経糸の数分の一から十数分の一でしかありません。また、ビーム単位で同じ色に染められます。

従って、これだけで整経が完了する訳ではなく、後で、必要な本数を揃えて柄組みをする作業が必要になってきます。そして、その作業を行うのが、次のページで説明する「一斉サイジング」です。

なお、少し変則的ですが、チーズで染色した糸を一斉サイジングに掛けるために荒巻整経する場合もあります。

部分整経

部分整経による方法では、荒巻整経の場合と違って、必要なすべての本数の経糸を、柄組みもして、ビームに巻き付けます。

必要な経糸は、総本数が4,000本から10,000本になります。これを一気にビームに巻き取るとすると、コーン・クリールに同じ数だけの小割りした糸をセットする必要があります。それでは手間も掛りますし、非常に広大な場所も必要になります。

そこで、「部分整経機」という機械を使用します。

まず、糸はコーン・クリールに数百個を立てておきます。そして、大きなドラムに、数百本づつ、十数回に分けて糸を巻き取ります。最後に、全部の本数を巻き取った後、糸をドラムからビームに巻き返せば、整経が完了します。

部分整経機による整経作業

部分整経機による整経作業の実況ビデオです。

YouTube 部分整経機による整経作業 YouTube 部分整経機による整経作業

コーン・クリールから集めてきた数百本の糸を整経ドラムに巻き付けているところです。

ビデオの前半では、最初のバンド、後半では三番目のバンドが巻かれています。これを十数回繰り返して、全幅(数千本)の経糸をドラムに巻き取ります。

なお、ビデオでは撮影のために極端に少ない糸の量で作業をしてもらいました。実際の作業では、もっと大量の糸をドラムに巻きます。

取材協力

荒巻整経の写真は、兵庫県西脇市 古家サイジングで撮影しました。

部分整経のビデオは、兵庫県多可郡多可町中区西安田 笹倉整経です。

ご協力を感謝します。