スラッシャ・サイジング
スラッシャ・サイジングは、整経済みの経糸数千本をまとめて糊付けする方法です。スラッシャ・サイジング・マシンという大規模な機械を使用します。
単に「サイジング」という場合、播州地方では、このスラッシャ・サイジングを意味します。
B2Bサイジング
B2Bサイジングは、スラッシャ・サイジング・マシンの入口に部分整経機で整経したビームを置いて、数千本の経糸をマシンに引き込み、ベルト・コンベア式に糊付け・脱水・乾燥を行なって、マシンの出口に置いたもう一本のビームに巻き取ります。
ビームからビームへと糸が流れていくことから、ビーム・ツー・ビーム・サイジング(B2Bサイジング)と呼ばれています。
一斉サイジング
一斉サイジングも、B2Bサイジングと同じように、スラッシャ・サイジング・マシンを使用します。
ただし、マシンの入口には、ビーム染色から上がってきた複数の染色ビームをそのまま置き、出口で一本のビームにまとめて、柄組みをして巻き取ります。
染色工程のところで説明したように、染色ビームに巻かれた糸は荒巻整経によって既に長さが揃えられています。従って、後は必要な経糸本数を揃えて、柄組みをすれば良い訳です。染色ビームには一本あたり数百本の糸が巻かれていますので、スラッシャ・サイジング・マシンの入口には、数本から十数本の染色ビームが並ぶことになります。
上の写真が、一斉サイジングの「入口」側です。ビーム・クリールに何本ものビームがセットされ、それぞれから引き出してきた糸をきれいに揃えて並べ、スラッシャ・サイジング・マシンに供給します。
そして、次の写真が一斉サイジングの「出口」側です。スラッシャ・サイジング・マシンから出て来た糸が製織ビーム一本にまとめて巻き取られます。
一斉サイジングは、荒巻整経およびビーム染色とセットになった、大ロット向けの経糸準備方法です。
取材協力
一斉サイジングの写真は、兵庫県西脇市 古家サイジングで撮影しました。
ご協力を感謝します。